第26回 研究会
日時:2023年9月24日(日)
場所:一橋大学 国際研究館 4階 大教室&オンライン開催(ZOOM)
14:00〜14:10 ご挨拶
14:10〜14:40 平町允(千代田区立日比谷図書文化館文化財事務室)
「竹久夢二による『セノオ楽譜』表紙絵制作について
-龍星閣旧蔵竹久夢二コレクションを中心として-」
14:40〜14:55 質疑応答
15:10〜15:55 越懸澤麻衣(宮城学院女子大学特任准教授)
「セノオ楽譜が伝えた音楽」
15:55〜16:30 質疑応答と全体討議
会員の方はもちろん、会員の紹介があれば非会員の方も参加いただけます。
詳しくは事務局 h.artsandsociety@gmail.com まで9月15日までにご連絡ください。
発表要旨
平町允(千代田区立日比谷図書文化館文化財事務室)
「竹久夢二による『セノオ楽譜』表紙絵制作について-龍星閣旧蔵竹久夢二コレクションを中心として-」
龍星閣旧蔵竹久夢二コレクションは、出版社である龍星閣が戦後に収集し、2015年に千代田区に寄贈された約1,200点に及ぶ作品群である。竹久夢二(1884-1934)の描いた肉筆画や自伝的小説『出帆』の挿絵原画をはじめ、書籍や絵葉書、封筒や千代紙など多岐にわたる資料が含まれる。
本発表では、約150点を数える本コレクションの『セノオ楽譜』のうち、主に7点の表紙絵原画に着目し、夢二の表紙絵制作とその背景について考察する。
あわせて、2023年1月から2月に日比谷図書文化館で開催し、本コレクションの一部を展示した企画展「龍星閣がつないだ夢二の心-「出版屋」から生まれた夢二ブームの原点」について紹介する。
越懸澤麻衣(宮城学院女子大学特任准教授)
「セノオ楽譜が伝えた音楽」
セノオ楽譜と言えば、その美しい表紙に注目が集まりがちだが、約800点にも及ぶ楽譜に収められた音楽作品を検討していくと、この楽譜シリーズが大正時代の豊かな音楽文化をはっきりと映し出していることがわかる。オペラやドイツ歌曲のようないわゆるクラシック音楽から日本の民謡や小唄、軍歌まで、実に多岐にわたる音楽を、発行者である妹尾幸陽(1891~1961)はどのようにして出版していったのか。そしてそれらは当時、どのように受けとめられていたのか。本発表では、発表者が今年刊行した『大正時代の音楽文化とセノオ楽譜』(小鳥遊書房)の内容の一部を、関連する録音とともに紹介する。